47agent株式会社 代表取締役兼CEO【勝木 豪志氏(かつき・つよし)】
日本初のSaaS事業、47都道府県の転職エージェントの為の支援サイトである47agent。
先日の進撃のWEEKへの参加を機に、エンジェル投資家コミュニティ「SEVEN」にて資金調達を達成され、今気鋭のスタートアップとして注目を集めています。
そこで今回は、「進撃のWEEKへの参加を通して広がった視野」について、掘り下げてみました。
進撃のWEEK(以下:進撃に省略)
〈聞き手=金 二美香(hackjpn)〉
若いうちに戸村さんに出会いたかった・・・進撃参加のきっかけ
まず初めに、Chatwork創業者の山本さんよりエンジェル投資家コミュニティ「SEVEN」へお誘いいただき、今回は第一ラウンド敗退ということでかなり悔しい思いをされたと思うのですが、その際にご自身の中で意識の変化はございましたか?
考え方や捉え方は大きく変わりましたね。このままじゃダメだなと思いましたし、なにか学ばなきゃなと。
そんな中で進撃に参加されたんですね。
そうです!いいチャンスだなと思って。すぐやろうと思い立ちました。全く何も考えなかったです。
今回の進撃に参加された目標は、資金調達達成を据えてピッチ資料をブラッシュアップさせることでしたか?
いえ、「とにかくこの方たちから学ばなければいけない」と思い参加しました。
しかも朝の時間でその時間は仕事していないですから、プラスしかないです。失うもの何も無いじゃないですか。
参加していくうちに進撃の主旨を理解して、今の自分にとって最高な環境だと思いました。
進撃で一緒に学ばれていた方々も資金調達中であった方も多かったですか?
詳しくは分からないですが、資金調達中である方もいましたし、まだこれからビジネスモデル作っていくというような方もいらっしゃいましたね。
そういった方は羨ましいなと思いますね。僕は37歳で戸村さんに出会って進撃に出会ったわけじゃないですか。だから大学生で出会ったなんて非常に運がいいですよね。
50代、60代の方が戸村さんに出会って学ぶのも素晴らしいと思いますし、年は関係ないと思いますけど、自分の場合は若いうちに戸村さんに出会いたかったなと思いますね。
投資家の見る目を変えるピッチ戦略
今回かつきさんが進撃で感動されたポイントとして、
「世界各国の資金調達情報は、資金調達をしている方にとっては非常に有益な情報である」とありますが、セールスという観点からも感動されていらっしゃいましたよね。
ここで改めて競合に目を向けた瞬間だったと思うんですけども、そこを通して新たに見えてきた自社の優位性や他社との違いはございましたか?
そうですね。これ僕が仕事をする上でも
社員にマネジメントをする上でも心掛けていることなんですけども、質問に人間は支配されているというか、質問されたことをすごく考えるじゃないですか。
そうですね。
例えば私が前受けたセミナーで学んだことで、「昨日の夜何食べましたか?」「一昨日の夜何食べましたか」と聞かれて考えている最中に、「仕事の業績悪いなあ」とか、「明日何食べようかな」と考えないと思うんですよ。
「昨日なに食べたかな」とか、「一昨日はこれだな」とか、その質問にその瞬間に支配されると思うんです。
確かに、、言われて気づきました。
それでいうと、進撃で戸村さんのお話を伺って、三つ大きな衝撃を受けた質問があります。そのうちの一つの質問が今おっしゃっていただいたもので、投資家の立場に立つということです。
なるほど、具体的なエピソードはございますか?
例えば海外で伸びている事業を日本に持ってくると流行る「タイムマシン経営」というものがあります。
これは既にビジネスモデルがある人にとっては必要ないと思われがちです。しかしもし自分のやっているモデルに近しいモデルが海外で流行っているとしたら、その情報を投資家に伝えることで投資家の見る目が変わることがあります。
これって投資家の立場に立って考えることだと思うんですよね。
確かに、他と差別化できそうなポイントですね。
はい。自分が起業家だったら「ビジネスモデルがあるから関係ない、これから作る人は関係あるけど」って話ですけど、投資家の立場に立ってみると確かにその情報は有意義だと感じました。
今回勝木さんが取り組まれている日本初のSaaS事業 「47 agent」に関してお聞きしたいのですが、日本に特化したサービスであるため最初はタイムマシン経営に正直興味なかったですか?
そうですね。
やはり知ることの大切さは進撃を通して気づかされたポイントだったのですか?
もちろんです。今のトレンドを知ることは絶対大事ですし、極論いえば、自分のビジネスに関係ないビジネスなんて一つもなくて遠巻きにみんな関わっていると思います。
その中でどういう風に世の中が変化しているのか、それこそ資金調達情報して、スタートアップして、ユニコーン入りしている企業を知ることの大切さに気づかされました。
実際に注目されている企業はございますか?
はい。この間私が主催しているセミナーで、アメリカにあるフィンテックの事業で、日本は法的な規制で入ってこられないビジネスモデルがありました。
それはお金を借りたい人と貸したい人のフィンテックであり、クラウド上でお互いの評価が溜まっていく仕組みです。つまり、社会的信用がなくてもそのアプリの中では評価があればお金を借りれるサービスです。
これは面白いなと思いましたね。クラウドの中でそういう仕組みがあって、お金の貸し借りがあることが新鮮でした。
視野を大きく広げるきっかけとなったある二つの問い
その他に進撃を通して得た大きな学びはございましたか?
はい。二つ目が「なぜ今なのか」そして三つ目に「なぜあなたでなければいけないのか」この二つの質問は考えたこともなかったです。
自分のビジネスモデルに自信があって、「これで日本を少しでも良くするんだ」と考えているときに、「なぜ今なのか」「なぜ私でなければいけないのか」という問いは、わざわざ聞かれないと考える機会はこれまでありませんでした。
そこの二つに関しては客観的なデータも調べることができたので良かったです。
やはり投資家の視点に立ってみることによって新しく見えてきた部分があったんですね。
そうですね、自分にない視野を広げてくれたというところはあります。
勝木さんからみた進撃主催者が「戸村さんでなければいけない理由」はどこにあると思われますか?
やっぱり説得力だと思いますね。
実際にシリコンバレーで起業されている方ですし、投資家としてもエンジェル投資家コミュニティ「SEVEN」で活躍されています。
また、起業だけではなくて現地でインターンの仲介事業も行われているので、潰れた企業も伸びた企業も幅広く関わってきているはずです。その経験の厚みでいうと、私の何十倍、何百倍にもなるかと。
そういったところの説得力が戸村さんでなければならない理由にあると思います。
みんな一様に自信がない・・・勝木さんのずば抜けた突破力とは
今後sevenへの再登壇は検討されていらっしゃいますか?
もちろんです。遅くとも年内の12月末には資金調達したいと思って動いているので、機会があれば来週にでもすぐに参加させて頂きたいです。
今回SEVENでの悔しい思いをバネに、進撃ピッチでのトップ評価を得られたわけですが、その突破力の背景はなんでしょうか?
特に意識はないんですよ。自分に突破力があると思っていないですし、周りからみると「なんでそんなに挑戦できるんだろう」とか、「腰が軽い」とか思われますけど、それが合理的だからというか笑。
前例のないことをやってみて、ダメだったら次にいくっていうことでPDCAを回していった方が、そこからフィードバックを得られますし早いじゃないですか。
やってみないと分からないから、やりたいことはとりあえずやってみて、法律の触れない、人を傷つけない範囲内でやってみたらいいんじゃないかなと思います。
いつか起業してみたいという方、結構多いですよね。
転職のエージェント8年やってきていますけども、「いつか転職したいです」って方は、「なぜいつかなんですか、今しましょうよ」ってよく言います。
僕税理士も紹介できますし、バックアップできますよって笑。
要はみんな一様に自信がないんですよね。突破力があるように見えるのは僕は自分に自信があるのかもしれないですね笑 調子乗ってますね笑
今回の資金調達で奥様の支えもかなりあるとお伺いしました。
そうですね。人事としては本当にプロフェッショナルで、組織開発、採用の部分に関してはかなり色々教えてもらっています。
よくご家庭をもたれている方で起業される人に多いのが、家庭があるから起業を躊躇してしまうケースですが、起業に対して不安はなかったのですか?
そうですね、貧乏が全く怖くないので。お金持ちになるために起業したわけでもないですし。
世の中を変えたい、良くしたいから起業しているので、貧乏になったとしても楽しいじゃないですか。6畳一間で家族仲良く暮らす昭和スタイル。
そこでしか経験できないことを子供に経験されてあげられると思います。例えば習い事はさせてあげられない代わりにお父さんとお母さんが一生懸命考えて、100均で買った道具で習い事みたいなことをさせるとか。
そういうことで創意工夫が生まれてそれがネットでバズったりするかもしれないですよね。
捉え方で如何様にもなりますね。
はい。なによりも世の中を変える課題があるのにそこに対して何も行動しなかったという後悔の方が大きいと思いますね。
借りたものは絶対に返したいので自己破産はしないと思いますけど、ビジネスに失敗したから家族に迷惑にかける不安はないですね。
ある意味責任感ないのかもしれないからかもしれないです。妻に迷惑かけてはいけないという責任感がないからかもしれません。なんとかなるだろうっていう笑。
今後見据える未来
今後描いている未来はなんですか?
今回進撃に参加させていただいたことで、本当にたった1週間で劇的にピッチ資料をブラッシュアップすることができました。それを生かし、ここから20社ほどのVCにアタックをかけて資金調達を年内に達成したいと考えています。
急成長しているスタートアップだからこそ必要となるエクイティファイナンス。そこに挑むまでに投資家の視点に立てている者はどれほどでしょう。そこに立つことで広がる視野は今後どのように気鋭のスタートアップ経営者の道を明るく照らしてくれるのか、あなたも一度進撃WEEKでご体験ください。
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。